その後のその後

iOSエンジニア 堤 修一のブログ github.com/shu223

とあるシングルスタックエンジニアの生存戦略

昨日『好きなことで生きるエンジニアを知る(Part2)』というイベントで登壇してきました。「どうやったらおもしろく働き続けられるか?」みたいなテーマなので本記事タイトルにある「生存戦略」とはちょっと違う印象を持たれるかもしれませんが、おもしろくないと生きていてつらいので、僕としては合ってるかなと。


もともとはスライドとか用意する必要なくて、聴講者含めてのディスカッション形式でやりましょうと主催の方には言っていただいてたのですが、僕の場合は準備なしでしゃべるとグダグダになるので、一応自分の考えぐらいは整理しとこう、ということでスライドを用意しました。



で、ここまで20分ぐらいで、あとは撤収までエンドレスで参加者の方々からの質問に答えていきつつ内容を補完する形式でした。

Q&Aのメモ

参考までに、参加者の方はフリーランスと会社員が半々ぐらい、エンジニア/非エンジニアの割合も半々ぐらいでした。


下記以外にもたくさんあったので、思い出したら追記していきます。


(当日のホワイトボード)

Q: お金は出ないけどおもしろい/スキルや実績は得られる仕事ばかり続くときはどうしてますか?

A: 基本的に、フリーランスとして受ける場合の「おもしろい仕事」「スキルや実績を得られる仕事」には、お金も自然とついてくると思っている。


例えば、WHILLみたいなプロダクトは、調達もしっかりできる企業じゃないと絶対につくれないし、良いメンバー(各分野のプロ)も集めてこれないといけない。Moffもしかり。


というわけで実際にはフリーになってからはお金の面でもとくに妥協はしていない。自分がお金の面にはこだわらず、スキルや実績を積んでいったのは主に会社員(カヤック)時代もしくは その前 の話。

Q: iOSだけじゃ厳しいんじゃないの?

A: そう思います。僕がやりたいのは「ずっとiOSで食べていくこと」じゃなくて「その時々の興味あることで食べていくこと」なので、時代の流れに合わせて興味も移っていって、やってることもシフトしていってると思います。

Q: 将来設計は?ずっとフリーランスでやっていくのか?

A: そこはとくに考えてないです。というより、そこを決めずにその時々の時流や心境の変化に応じて自分の立場も変えていくのが理想です。

Q: 相手の目利きはどうしてるのか?

(わらしべ長者方式で、間違った交換をしないという所で、相手のことを見抜く目利きが重要な気がするけど実際の所どうなのか?)


A: 自分は「初対面でその人がどんな人かわかる」みたいな能力は全然ない。ただ自分にとっておもしろい仕事を選んだ場合、それをやってる人もだいたい自分と合うことが多い。

Q: 奥さんに反対されないですか?

A: 奥さんは全然インターネットの世界や技術に興味のない人だが、日々、今はどんな人とどんな仕事やってて、何があったとかどう思ったとかを話すようにしている。


仕事について話すのはなかなか面倒なところもある(難しい)ので、そこをさぼってて、ある日突然「独立したい」とか言い出すとそりゃ不安にもなるのかなと。


うちの場合は日々の心境や状況を共有できているので、一見突飛な行動も自然な流れの中にあるから理解してもらいやすいのかなと思っています。

Q: 「できないブランディング」は最初から意識していたのか?

A: 最初は全然意識してなかった。新しい技術に取り組む腰が重いだけ。結果論として「できないメリット」もあったので、そういうことを後付けで意識するようになった。

Q: ブログの更新頻度は気にするか?どうテーマ選びしているか?

A: 更新頻度は気にしていないです。僕のブログは「固定読者が毎日見に来る」というタイプじゃなくて、技術記事はググって出てきたときに見られるものだし、海外に行ったとかの話 はシェアされてTwitterやFacebookのタイムラインから見に来てくれるものなので。


テーマ選びについては、自分が仕事でやっていきたい分野(例:BLE)についてはちょっとでもかじるだけでも積極的にブログに書いて、あんまりやりたくないところとかはノウハウあっても逆に書かなかったり、とかはあります。


始めた当初は読者もいなかったので、特に意識はしてなくて、日々の開発の中で出てくるメモをひたすらアップしてた感じです。

Q: ブログ書いてて途中で飽きることはない?

A: めちゃめちゃあります。しっかり書いてて途中で飽きてお蔵入りになる記事の方が、アップする記事の10倍ぐらいあると思います。

おわりに

この「わらしべ長者方式」は以前ブログに書いたときに全然反応なくて、唯一反応してくれたのが今回の主催の小山田さんで、個人的には「どのあたりが疑問に思ったのか/共感できなかったのか」ということを知りたかったので、今回のディスカッションベースの会は非常に有意義でした。


そもそも「わらしべ長者」っていうメタファーのチョイスが失敗してる気もする(もっといい案があればぜひお願いします)し、結局肝心なところは「がんばるしかない」としか言ってなくてあんまり参考にならない感もあります。


とはいえ僕がいまはわりと自由度高く好きなことをやって食べられるようになっているのは事実で、しかも 最初からプログラムがバリバリできたわけじゃない ので、他のみなさんにも参考になるような部分がきっとあるんじゃないかなーと思いつつ、こういうテーマでの話は今後もブラッシュアップしつつ続けていきたいと思っています。



で、キャリア繋がりで、来週9/6(土)にこんなイベントにもパネラーとして登壇します。


挑戦するエンジニアを応援する! 〜大企業を飛び出したエンジニアの実体験トークイベント〜 - 挑戦するエンジニアの応援チーム | Doorkeeper


あんまりストレートに言うのがはばかられるところもあるのですが、僕なりにこのイベントの趣旨を平たく言うと、「大企業を飛び出したいけど迷ってる方々 *1 の背中を押します」ということかなと。


パネルセッションだけじゃなく、ざっくばらんに話せるブースセッションもあり、ビールもでるそうなので、ぜひ!


*1:大企業じゃなくても、ちょっと思い切ったキャリアチェンジをしたい人