その後のその後

iOSエンジニア 堤 修一のブログ github.com/shu223

iOSアプリ開発案件で中国出張に行ってきました

とある案件で、中国は深セン(深圳/Shenzhen)に行ってきました。



もともとその案件では基板/ファーム部分を中国の会社が担当していて(BLEを介してのiOS側を僕が担当)、

  • こちらから要件を送る
  • (1〜3週間待つ)
  • 「できた」とファーム焼き込み済みサンプル基板が(中国から)届く
  • 検証してみると、色々要件を満たしてない(修正要件をまとめて1に戻る)

ということを二度ほど繰り返して、「これは埒が明かないのでは。。」と危惧していたところにタイミング良くそのお客さんが中国に工場見学等を目的に出張に行くというので「僕も行って向こうのエンジニアの隣で一緒に作業するときっとはかどりますよ」と便乗させていただいたのでした。


以下、出張の準備や、やったことのメモです。

旅程

出張、といってもたったの2泊3日、木曜の早朝に出て土曜の夜には帰国してました。

4/16(木)
  • 9:35成田発、約5時間後、香港着
  • 「HKTDC Hong Kong Electronics Fair 2015」(展示会)へ
  • 香港と深センの国境まで電車で移動
  • 深センからは車(迎えに来てくれていた)→ 会食


(香港→深センの国境。普通に通勤してる人も多いらしい)

4/17(金)
  • 基板・ファーム開発、生産を担当してくれる会社へ
  • 工場見学
  • あとはひたすら開発


(工場見学。左:ファーム書き込みの様子、右:電波を遮蔽するBluetooth検証用の個室)

4/18(土)
  • 深セン→香港へ移動、Shared Van 的なのを利用
  • Global Sources Electronics」(展示会)へ
  • 16:25香港発、帰国


(展示会に出ていた斬新なデザインの IoT キャップ)



航空券は諸々込みで6万円ほど(お客さんのと便を合わせたので、最安ではなかった)。

準備

よく知られている通り、中国は Gmail をはじめとする Google の各種サービス、Facebook (もちろん Messanger 含む)、LINE、Twitter 等々に繋げない、という不便すぎる制限がかかっています。


そんな中国に行く、ということを Facebook に書いたら、多くの方々が貴重な情報を寄せてくれました。

  • EC2でVPN立てとくのがオススメです!

この辺でしょうか。iPhone用の OpenVPN クライアントも App Store に出てます。

とりあえずであれば一ヶ月間無料のセカイVPNを契約して、帰国後無料期間中に解約、という手もありだと思います

先月まで深センにいましたが、ここ最近VPNの締め付けがきつくなっているのを実感したのであまり期待しない方が良いと思います。

昨年行った時はリモートデスクトップのホストを日本に残して対応しました。

先日北京に行って来ました。セカイVPN はホテルの Wifi だと安定して繋がりましたがレンタルのモバイルルータからだとほとんど繋がらず。余裕があれば自分で VPN サーバ用意するのがよいかも。あと、Shadowsocks というアプリはオススメ。これだけで、Facebook も Google も繋がりますよ。現地の中国人の方に教えてもらいました。


で、いろいろあって家を出る30分前ぐらいに準備を始めたので、VPN はセットアップする時間がなく断念、サクッとやれる対策としてやっていったのが、

  • Gmail の転送設定(Yahoo へ)
  • Shadowsocks のインストール

の2つ。Shadowsocks はブラウザアプリで、ややこしい設定も必要なく、Facebook や Twitter や Gmail にアクセスできました。



ただ、欠点としては、Ingress や Instagram など、ブラウザから使えないアプリはこの方法だとどうしようもないです。あとアプリ開発で Facebook の API たたきたい、といった場面でもアウト。やはり次回行く機会あればVPN立てようかと。



ちなみにコンセントは空港で全世界規格対応の変換プラグを買ったのですが、ホテルでもオフィスでも結局一度も使いませんでした。(日本規格のがそのまま入る)

共同作業の成果

あちらのファームエンジニアさんと隣で作業することで、

  • 要件を伝える
  • 「できた」と言われたら検証
  • できてない点を伝えて差し戻す(できていれば次の要件へ)

というのをその場で十数回は繰り返したので、これを海をまたいでデバイスをやりとりしていたかもしれないことを考えると、この1日だけで数週間分ぐらいの遅れのリスクを回避できたかと。やはりハードウェア絡みの案件は隣で作業するのが一番手っ取り早い、と再認識。


(ファームウェアエンジニアのホアンさん。この道十数年のベテラン)



お客さんとも中華料理と青島ビールを囲みつつ色々話せたし、開発も捗ったしでいいことずくめの中国出張でした。