3ヶ月ごとにフリーランスとしてやらせていただいたお仕事をまとめています。
とくに会計年度を定めてるわけじゃなくて、3ヶ月ごとに書いてて3回目なので「第3四半期目」と題しました。時期的には2014年8月〜10月です。
概要
ざっくり書いておくと、こんな感じです。
【新規】
- SmartDrive
- 車とスマートフォンをつなぐデバイスとアプリをつくっているスタートアップ
- 書籍の執筆
- iOS × BLE の技術書
- konashiの開発者、松村礼央さんとの共著
- 海外書籍のレビュー
- とある海外出版社のiOS 8 技術書のレビュアー
- 1〜数人日の作り切りアプリ開発数件
- 講演、登壇いくつか
- iOS8-Sampler
- 個人でやってるOSSプロジェクト
- GitHub Trendingでrepository/developer部門両方で1位に!
【継続】
- WHILL
- 10月、制作したiOSアプリがリリース!
- Moff
- 10月に一般販売開始!
- 真鍋大度さんとのお仕事:music for the deaf
- 8/13 横浜パラトリエンナーレの特別イベントとして、プレゼンテーション(ライブパフォーマンス)を実施
SmartDrive
9月ぐらいからiOSアプリを手伝い始めました。
会社やプロダクトの詳細はこちらを。
- SmartDrive inc.|走行データプラットフォームで移動の進化を後押しする
- 「車に付ける健康デバイス」スマートドライブが8月から実証実験を開始へ – BRIDGE(ブリッジ)
- ビッグデータとデバイスで車の未来を変える「スマートドライブ」ANRIに第三者割当増資を実施 – BRIDGE(ブリッジ)
車の OBD2(On Board Diagnosis second generation)端子に挿せるデバイスから、BLEでスマホに走行データを送り、データ解析して付加価値を提供するプロダクト/サービスです。
僕が参加した時点である程度アプリもデバイスも実証実験ができるぐらいにはできあがってましたが、ソースコードがまだリーン的(←誤用)だったので、未実装機能を実装しつつ関連部分をリファクタリングしていくような感じで関わり始めました(たとえば、初日はissueに対応しつつ肥大化していたストーリーボードを切り分けるところから着手)。
継続的にお手伝いすることになったのは WHILL、Moff 以来なので、結構久しぶりの新規クライアント、という感があります。
書籍執筆
10月ぐらいから、iOS × BLE の技術書を書き始めました。konashi の開発者、松村礼央さんとの共著です。
実は3月ぐらいにはお話をいただいていたのですが、「(僕より詳しい人が山ほどいる中で、)なぜ自分が書くのか?」というところと、前著を書くのがめちゃめちゃ大変だった(他の仕事を全部断って5ヶ月間かかりっきり)というトラウマ(?)もあってなかなか乗りきれずにいました。
特に、なぜ書くのか?というところでは、
- 上原さんが書けばそれでみんな幸せなのでは?
- "Getting Started with Bluetooth Low Energy" の翻訳本が出ればそれで幸せなのでは?
- そもそも既刊の『iOS 5 プログラミングブック』『iPhoneアプリ開発 エキスパートガイド iOS 6 対応』『上を目指すプログラマーのためのiPhoneアプリ開発テクニック iOS 7 編』で結構網羅されてるのでは?
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・・・というあたりで相当悶々としてました。いや何しろ自分のBLE関連知識の多くは 上原さんのブログ やFacebookグループで勉強させてもらったものだし。。
で、そんな煮え切らない気持ちのままあれよあれよと半年ほど経ってしまったころ、編集の方が共著者として松村さんにお話を通してきてくれて、ある日のミーティングで一気に自分の中でストンと「自分が書くべき理由」が腹落ちしました。
自分の1年ほど前を振り返ってみると、連載ドリブンで勉強しよう、と『iOSアプリと連携させて使えるデバイスたち:連載|gihyo.jp … 技術評論社』という連載をgihyoさんに企画提案し、BLEとか意識せずiOSと繋がるガジェットという理由だけで購入した konashi を第1回に取り上げたところから始まって、これまたBLEとか意識せず関わった iBeacon 案件があって、これまたBLEとか意識せず関わったとある新規ウェアラブルデバイス案件がありそこからBluetoothについて勉強し始め、・・・WHILLの話が来て、Moffの話が来て・・・
まぁなんというか、自分は BLE とか関係なく、ただただ「iOSと連携する外部デバイスの分野って何か楽しそう」ってところから始まって、つくりたい欲求ドリブンで調べているうちに必然的に BLE について知識がついてきたのであって、そういう切り口/順序で書くのであれば、他の関連書籍がありながらも僕が書く余地もありそうだなと。
あと、松村さんは konashi というハードをつくった人で、僕も WHILL, Moff, SmartDrive, 真鍋さんとのピリピリデバイス と多くハードウェアプロジェクトにiOSエンジニアとして実際に手を動かして関わっていて、そのあたりでも何か宿るものはあるんじゃないかと。
というわけで今は迷いなくバリバリ書いております。上原さんや小林先生やIRKitの大塚さんにも査読いただく予定です。電子版同時リリースはいろいろ大変そうですが編集の方を通してがんばって交渉していく所存です。無事出版されたらよろしくお願いいたします!
WHILL
今年の4月から週末を中心にじわじわとつくってきたアプリが、ついに10月にリリースされました!
WHILLなしでも試せます。詳細はこちら:
申請の日はWHILLの新オフィス@鶴見に泊まりこみで作業しました。
(WHILLの新オフィス@鶴見。どでかい倉庫的な建物の中にメンバーみんなで組み立てたプレハブ)
Moff
9月にKickstarter支援者向けリリース、10月一般リリース。最近はお仕事的に新展開になってきましたが書いていいか先方にまだ確認できてないのでそのお話はまた今度。
ちなみに WHILL も Moff も、トップのピコーンピコーンするアニメーションは拙作のオープンソースライブラリ "Pulsing Halo" を使用しております。
music for the deaf
横浜パラトリエンナーレでの、SOUL FAMILY × 真鍋大度 + 石橋素 + 照岡正樹 + 堤修一 名義での展示・ライブパフォーマンス。
経緯や当日の様子などの詳細はこちらに。
海外書籍のレビュー
iOS8-Samplerを出したおかげか、とある出版社から iOS 8 の技術書のレビュー依頼が届きました。
iOS 8 と題してるのにスクショが Xcode 5(iOS 8 は要Xcode 6)だったり、最初のサンプルが UIAlertView(iOS 8 では deprecated)だったりして前途多難な感じでしたが、ちゃんとフィードバックに書いたのできっとそのあたりは直されて良い本になっているのではないでしょうか。
そしてどうにかこうにか全7章のフィードバックを返し終えたタイミングで、出版社側の担当者より退職のお知らせ。自分がレビュアーとして記載されるかどうかは謎です。。とりあえず英語で書籍を読む練習にはなったので、良い経験にはなりました。
iOS8-Sampler
詳細はこちらに。
GitHub の Trending で 1 位になりました!
Trending の 1 位になるのは、iOS7-Sampler、AnimatedTransitionGalleryに続く3つ目です。スター数は11/4現在約2,100。
オープンソース活動で収益ゼロですが、このブログは海外にはリーチしないので、グローバルに自分のエンジニアとしてのポジションをつくっていくにはこういう投資は必要だなーと思ってある程度時間を割いてでも(=収益になる仕事を減らしてでも)やることにしています。
講演、登壇
↑このスライドは話のとっかかりだけなので、興味のある方はぜひ記事の方もご参照ください。
- 【勉強会資料】BLEとは何か/BLEの実例 - その後のその後
- 挑戦するエンジニアを応援する! 〜大企業を飛び出したエンジニアの実体験トークイベント〜 - 挑戦するエンジニアの応援チーム | Doorkeeper
(インタビュー)
インタビューは結構同じ話をしているところもあるのですが、以下のあたりはこのインタビューで話したのが初めてかなと。
で、当時アメリカに行って2〜3年は帰ってこないつもりだったんで、自宅も引き払って家具も売ったり捨てたりしたんですけど、行ってすぐに帰ってきちゃったんで、奥さんの福島の実家に居候しつつ、用事があるときは都内にウィークリーマンションを借りて、新幹線で往復したりしてて。
でもこういう状況ってそんなに意図的には作り出せないから、どうせなら色んなところで転々としながら仕事をするっていう、昔から憧れていた働き方をやってみようかなと思って。それで沖縄のウィークリーマンションを一ヶ月くらい借りて、フリーランス的に仕事をしようかなと思ったんですけど、お客さんと話してる時に、「遠いんだったら近くの人とやりとりしたいから他に当たってみるかも」って言われて。やっぱり今の自分のレベルだと、遠くの堤さんより近くの誰かのほうがいいレベルなんだなと思って。例えば真鍋(大度)さんの場合は世界中から依頼がきて、飛行機代出してでも真鍋さんしかいないっていうポジションがあるけど、やっぱり僕はまだ沖縄に行ってる場合じゃないなということを学んで、それでちゃんと腰を据えて、東京に引っ越しして、フリーランスでやりますって思った。それが今年の2月ですね。
__では、フリーランスになって良かったなって思う事はなんですか?
自分の行動が良いことも悪いことも全て跳ね返ってくる事が良いなと一番思っています。
社員一万人以上の会社からカヤック、その後3人くらいのスタートアップに入って、今は一人になって。で、どんどん小さくなって思うのは、僕はどんな少人数で組んでも、他人と何かやると必ずちょっとズレがあって、それをお互い埋めたりするんですけど、それより自分は全部責任とるから好きな様にやらせてくれってほうが楽で、仕事をやるやらない、断る断らないっていうところも全部で自分で決めて全部自分の責任に出来る方が良いですね。そういう状況が好きな人は向いてると思います。
フリーランスは寂しいという人もいますけど、僕は全く逆で、フリーランスになると人に会うことも全部が有機的に繋がってきて、会社員だとやっぱり会社が一枚噛んだりとか、一緒にやろうぜ的なことにはなりにくい。今までよりも人と会うのが楽しくて、寧ろ寂しいというより、交流が増えた。昔はコード書いてたほうがいい、時間が勿体無いって思っていた事もありましたけど。
仕事観・働き方についてとある媒体で連載する話もいただいたのですが、連載するほど体系化できてないし、そんなことよりもっと技術力を積み上げて、もっと手を動かしてプロダクトを世に出していかねば、ということで見送らせていただきました。
1〜数人日の作り切りアプリ開発案件
プロジェクト新規作成から納品まで1〜数人日ぐらいの短期案件をいくつかやらせていただきました。
- RoadMovieみたいな、細かい動画を撮影してひとつの動画につなげて保存するアプリ、1人日
- iBeacon で店内領域検出、Core Bluetooth で店員用アプリと通信するデモアプリ、1人日
- 東京デザイナーズウィーク出展用のシンプルなアプリ、?人日
おわりに
おかげさまでこの3ヶ月も楽しくお仕事させていただきました。とくに直近の10月は、
フリーになって9ヶ月間試行錯誤してきて、ついにこの10月は「自分にとって価値のある時間の純度を高める」ことに成功した感があるので、そのあたり近いうちに整理して書きたい。 / 【翻訳】フリーランスが払う代償について | POSTD http://t.co/YVIMpkiiqE
— Tsutsumi Shuichi (@shu223) 2014, 10月 30
とツイートしたように、収益/融通性/楽しさ/やりがい/実績が揃ういい働き方ができなたーと。そもそも不安定なフリーランスというポジションなので、再現性のあるものでもなく「今、たまたま」な要素が多いですが。。
次の3ヶ月も楽しみつつがんばりたいと思います!