その後のその後

iOSエンジニア 堤 修一のブログ github.com/shu223

2017年の反省


ふりかえり的なことは先月に書いたのですが、

実際のところこの記事は上澄みだけすくい取ったようなもので、ここには書いていない反省や葛藤がたくさんあります。


いま12月31日ですが、その葛藤はいまも現在進行系で自分の中にあるなーという気がするので、やはり2017年の振り返りというか主に反省を書いておきたいと思います。

反省1: アウトプットが減った

技術記事をあまり書かなかった

自分のブログ(これ)はほとんど「◯◯しました」系の自己PR記事だけになり、Qiitaでも(この12月のアドベントカレンダーの時期を除き)ほとんど記事を書いていませんでした


フリーランス時代は仕事を減らしてでも勉強時間を確保し、勉強したことをアウトプットしていましたが、会社員になると週5日が自動的に埋まってしまいますし、発信することへの意識もだいぶ下がってしまった*1感があります。

iOS 11 Samplerを出さなかった

iOS 7のころから4年続けていたiOS Samplerシリーズ、今年はついにサボってしまいました。


例年8月ぐらいから始めて、そこそこ時間をかけて実装して、9月の正式リリースに合わせて公開、というスケジュール感なのですが、今年のその時期はiOS 11 Programmingの執筆で手一杯で、まったく無理でした。


せめてもの足掻きとして(成果物の横展開的な発想で)ARKit-Samplerを公開しましたが、それもサンプル数がちょっとしかなく、追加更新もできず、例年とは大違いです。*2


iOS Samplerはそもそも「自分で新APIを使ってみて、どんなもんか把握しておく」という目的で始めたもので、今年はiOS 11 Samplerをつくってないので、iOS 11の新機能があまり(実感として)把握できてないという普通に宜しくない状況です。

反省2: 「自分にとって唯一の技術スタック」で遅れをとってきている

「最近のiOS開発」がキャッチアップできてない

会社ではSwift書いてませんし、新しい技術の勉強としても、機械学習とかMetalとか3Dまわりをやってたので、

こういうあたりが全然キャッチアップできてません。ずっとiOSしかやってないエンジニアが、そのiOSでもメインストリームから遅れをとっている感。焦りがあります。

アプリ開発に対して腰が重くなった

ちょっと前までは、「iOSアプリをゼロから実装して、申請して、ストアに出す」という一連の流れは「簡単」という感覚だった気がするのですが、今ではすっかり腰が重くなり、既存アプリをアップデートするにしても、非常に大変な作業のように感じてしまいます。


経験を積んで作業の見通しがより正確にできるようになった(ので、大変に感じる)という面もあるかもしれませんが、割り切りが下手になった、頭でっかちになってしまった、という面が大きいように思います。


また、前述した、最近のベストプラクティスについてキャッチアップできてない、というところもあると思います。


自分はそもそもアイデアを形にするところが楽しくてiOSをやってきたので、アプリ開発へのフットワークの軽さは取り戻したいところです。

反省3: アメリカで働いてるのに、アメリカで勝負してない

僕は元来保守的で、不安やプレッシャーを過度に抱えたくないので、1つの重要なチャレンジをしているときは他のチャレンジは諦めてよい、と自分を赦すところがあります。


で、2017年は

  • 今は英語よりも新しい技術(Metalや機械学習)を勉強するのが重要
  • いまはとにかく本の執筆(iOS 11 Programming)が最重要

みたいな状況が続き、英語とか、アメリカ社会にあまりまともに向き合っていない1年でした。


具体的には、

  • 会社が健康保険も負担してくれてるのに、なんだかよくわからないし調べるのも面倒だから日本に帰ったときに病院行こう
  • そろそろクレジットヒストリーがたまって条件の良いカードをつくれそうだけど調べるのが面倒だから最初につくった日系企業のカードをずっと使ってる

とか、諸々そういう話。


あと、こうして日本語での発信を続けているのもそうだし、未だに会議で全然みんなが何言ってるのかわからない程度の英語力を放置しているのもそう。


同じ時期にサンフランシスコの会社に就職し、グリーンカード取得を見据えて働いている友人等を見ていると、しっかりアメリカと向き合って暮らしているな、と思います。「海外で暮らす」ということに伴う様々な困難に対して、彼らはしっかり向き合い、乗り越えている。僕はただ避けているだけ。せっかく海外で働いているのに、これでは世界が広がっていかない

総括

2017年の反省点をつらつらと書きました。単純に心構えや時間の使い方を改善するだけで対策できそうなところもありますが、これらの根底には、会社員とフリーランス、アメリカと日本、というところでの自分の中での葛藤、あるいは切り替えの中途半端さがあるように思います。そういうフワフワしたところのせいで、この1年の4分の3ぐらいは有意義だったものの、残り4分の1ぐらいはなんだか中途半端に過ごしてしまったような。2018年はこのへんの問題にちゃんと向き合い、優先度をしっかりもって行動したい所存です。


*1:仕事の依頼が来ても基本的には受けられないので。

*2:iOS Samplerシリーズは、だいたい公開時からサンプル数が20前後ありますが、それはたまたまではなくて、意識してそこまで持っていってます。(数の)驚きがないと、広がっていかないので。