その後のその後

iOSエンジニア 堤 修一のブログ github.com/shu223

フリーランス2年目の振り返りと反省

2014年2月に独立して、ほぼ2年が経ちました。今日は大晦日ということで、2015年の仕事やらプライベート活動やらを振り返ってみたいと思います。

仕事

今年は全部で13社の開発をお手伝いさせていただきました。


多くの企業様と関わらせていただきましたが、合計10人日以上お手伝いしたのはうち4社だけで、1日や2日だけのところもあります。


・・・という話をするとたまに誤解されることもあるのですが、僕はアドバイザー・コンサル的な仕事はやってなくて、手を動かしてプログラムを書く仕事だけをやっています。(技術顧問としてプレスリリースがあった Sansan さんでも、普通にBLE関連機能の開発をしつつ、ちょっとミーティングにも同席したりもしますという感じでお手伝いさせていただいています)


自分のフリーランスとしての働き方・考え方等はこちらの記事に書いてあります。


大晦日(今日)に届いたBONX!

イベント・勉強会への登壇

技術勉強会

新しい技術を勉強しなきゃとは思いつつも誰からもプレッシャーがないフリーランスという身なので、勉強会発表ドリブン *1 で興味のあることを勉強するようにしています。

自分の勉強のためにやっていることではあるのですが、毎回新しく調査して、サンプルつくって検証して、というところからやってるので、調査・発表資料作成を合わせると、丸1日〜3日ぐらいかかっていて、お仕事との兼ね合いが毎回大変です。。

イベント登壇

こっちは技術勉強会とは目的がちょっと違ってて、どっちかというと「iOSアプリ開発を頼める誰か」ではなく「iOSエンジニア堤」を立てたい的な意味合いで、お声がけいただければできるだけ出るようにしています。

ただ自分のトーク力は「いかにもエンジニア」レベルで、話を聞きに来ていた方から次の登壇の依頼が来て・・・と繋がっていかないので、このへんは出させていただくからにはもっとしっかりしないとなぁ、と。

プライベートワーク

書籍執筆

順番的に記事の下の方での登場になってしまいましたが、BONXと並んで今年一番時間をかけた仕事の一つ。

本気か冗談か、「本の印税で儲かってるんでしょ〜」と言われることがありますが、技術書なんてもともと部数が出ないジャンルで、その中でも Bluetooth Low Energy という超ニッチな分野。どう転んでもベストセラーにはならないでしょうし、開発仕事を数日やった方が儲かる、というレベルです。そして人にもよると思いますが、本を書くというのはかなりの苦行で、開発仕事の方が遥かに楽しいです。本書も例によってかなりの難産でした。。


そんなニッチな本著ですが、この分野に参画する人達の間で地道に売れ続け、なんと増刷の運びになりました。達人出版会さんで販売されている電子書籍版もアップデートされています。サンプルも Swift 2 / Xcode 7 / iOS 9 対応済み です。


iOS×BLE Core Bluetoothプログラミング
堤 修一 松村 礼央
ソシム
売り上げランキング: 898

オープンソース

今年新規公開したもの。


iOS-9-Sampler は GitHub の Trending (要はStarランキング)の Daily / Weekly / Monthly すべてで1位、つまり世界1位を獲得しました。


Trending1位は iOS7-Sampler, iOS8-Sampler, AnimatedTransitionGallery につづいて4度目です。


サンプラーシリーズは(たかがサンプル集とはいえ)地味に大変で、ほっとくと仕事でスケジュールを埋めてしまうので、あえてこれらに取り組む日を確保しておいて開発を進めつつ、正式リリース日が発表されたらその日もオフにしてブログ公開とGitHubでのソース公開に備えたりしてます。


リリース前の感覚として、iOS 9 はあまり開発者の興味を集めてない気がして、iOS-9-Samplerもあんまりニーズないかもなぁ。。とか思ったりしてましたが、出してみると例年通りの反響があり、やはり時間をかけて準備した甲斐があったなと。というわけできっと iOS-10-Sampler もやると思います。


あと Google/Eddystone のコントリビュータになったり、


もちろん過去にアップしたリポジトリのメンテも。

ハッカソン参加

ハッカソンは体力の消耗が激しいので、基本的にもうあまり出てないのですが、海外の場合はmeetupとかに出て英語コミュニケーションをがんばるよりもハッカソンに出て実力を示したほうが早いということで、営業的な意味で出ています。


幸いにもどちらも受賞することができました。

プライベート開発
  • とあるカジュアルゲームアプリ
    • 友人と週末に開発を進めている
    • 月1日できるかできないか、ぐらいの開発ペースなのでいつリリースできることやら。。

反省

  • ブログをあまり書かなかった

制作実績や、勉強会での発表については書かないともったいないので書いてましたが、それ以外の日常の開発で得た開発ノウハウについてはほとんど書けず。12月になってアドベントカレンダードリブンで何記事か書いたぐらい。


この メモをアップするメソッド でブログ書きまくってた頃とは色々状況が違うので、今にフィットする方針を考え直さないと、と思っています。

  • 新しい専門領域を開拓できなかった

2014年はBLEというちょっとニッチだけどあまりそこで経験・実績のある人がいない分野を開拓することができました。今年は「海外から仕事を受ける」という新しい挑戦は始まったものの、そしてBLEに関してはより深掘りできたものの、「新しい技術的な強みの獲得」という面ではあまり何もできなかったなと。(今年よくやった新しい分野の仕事として「watchOS」もあるのですが、こちらは技術的な面ではあまり強みとはいえないと思っています)


足がかりはいくつかできたので、来年がんばります。

来年の抱負

当面は海外のお仕事をがんばります。年明けからベルリンに *2 行ってきます!



*1:発表ネタをつくらなきゃというプレッシャーを自らに課す

*2:バンベルクのスタートアップとは別の、新しいお客さんとのお仕事