その後のその後

iOSエンジニア 堤 修一のブログ github.com/shu223

もくもく会@ベルリン

世界を旅するプログラマやデザイナーの集団『Hacker Paradise』というコミュニティに参加し、19日間の旅程でドイツはベルリンに滞在しております。今日で4日間が経過したところなので、ファーストインプレッション的なものを書いてみたいと思います。

"Hacker Paradise"とは?

もともと、主催の2人*1がノマド的に仕事をしながら旅をしていて、楽しいけど毎回場所を変わる度にコミュニティを離れるのが寂しいと感じて、それなら自分たちでコミュニティをつくろう、ってことで今の形になったそうです。


滞在する国は4週間ごとに移ります。今はドイツ、前回はバルセロナ、その前はエストニア、、、といった感じで。(僕はドイツの4週間のうち、後ろの2週間から参加したかたちになります)


参加は有料です*2。渡航費、宿代という普通に旅行に必要なものはここには含まれていなくて、彼らが提供するのは以下の4つ。



というわけでざっくりいうと、彼らが異国の地に作業場所を用意してくれて、そこに集う仲間に入れてもらえる、というわけです。


基本的には皆何かしら取り組むことを決めて、それぞれもくもくと作業します。それを週始めに宣言したり、週の終わりに発表したりといったしくみもあるので、僕的にはこれは「旅するもくもく会」みたいなものかなと思っています。

参加目的

理由は大きく2つありまして、ひとつめは、先日チケットもないのにWWDCの会期に合わせてサンフランシスコに行ったらすごく良かったので、定期的にこうして仕事とは関係なくリフレッシュして新しい技術の勉強とかをする機会を持ちたいなーと。


もうひとつは、先日書いた記事みたいに、海外からもフリーランスとして仕事をとれるようになりたくて、その足がかりを何かつかめないかなと。ベルリン滞在中に無料でちょっと手伝ったりして、その後もiOSの仕事があればお呼びがかかるようになるのが理想だけど、それが難しければ海外から仕事を受けるにあたって何が不足しているかの感覚だけでもつかめればと思っています。

スカイプ面接

参加にあたっては、20分〜30分ぐらいの簡単なスカイプ面接があります。次のようなことを聞かれました。

  • これまでどんなプロジェクトに取り組んできたのか
  • iOS を始めたきっかけは?
  • Hacker Paradise に参加したらどんなことをやる予定か
  • どの期間に参加する予定か(ベルリン4週間なのか、2週間なのかとか)

最初から僕が iOS エンジニアで、ということが前提で話が進んだので、こちらがフォームに入力したプロフィールとかはあらかじめ目を通してくれていたようでした。

準備

前述のような参加目的が既にあったので、ベルリン滞在中は日本でのお客さん仕事は一時停止させていただくべく、面接合格のメールが来てすぐに、お客さんへの連絡・調整を行いました。


あとは普通の渡航と同様、航空券購入とAirbnbでアパート借りたぐらい。


ドイツは行ったことがなく土地勘もないので、事前にHacker Paradiseの中の人にワークスペースの住所を聞いて、そこから近いところを借りました。


(築100年ぐらいの渋いアパート)


航空券はボーッと数週間放置してたら当初14万円ぐらいだったのが24万円ぐらいに値上ってました。ドイツの都市の中でも特にベルリンは経由便しかないのでこういうことになりやすいので要注意です。

ベルリンに来てからの4日間でやったこと

Hackday

ベルリンに着いてすぐ、Hacker Paradise がやっていた Hackday というイベントに参加しました。ハッカソン的な名前がついてますが、チーム分けとか賞とかはないので、これももくもく会的なものでした。


僕は Interface 4月号にあった「生体センシング入門」を読んで信号処理をまたちゃんとやりたいと思っていたので、



「Apple Watch(watchOS 2)の加速度センサデータをiPhone側で受け取ってリアルタイムにFFTかけてスペクトル表示する」というものをつくり、プレゼンしました。


(こういうプレゼン風景でした)


つくったもの自体は、英語力不足によりイマイチ伝わらなかった感があったのですが、

I came from Japan yesterday, so it's my first day for Hacker Paradise!

みたいなことを冒頭にいったらみんなワーッと拍手してくれて、何ていい人たちなんだ、と思いました。

Group Lunch

イベント名から察するにグループに分かれるのかなとか思いましたが、全員でのランチでした。



一応この日が正規の初日(Hackdayは休日開催)だったので、ここでも改めて自己紹介させてもらい、またワーッと拍手してくれました。みんな超親切。


で、ひとりひとり順番に「今週やること」を話していきます。僕は "I'll work on my open source project." といって、iOS-9-Sampler の説明をしました。誰も iOS エンジニアじゃないのであまり伝わってない気がするのですが、みんな「ワオ、クールだね!」と言ってくれます。


他の人達は、Python で機械学習に取り組む人、フロントエンドのフレームワークをつくってる人、Arduino で何かやってる人、普通にリモートワークしてる人など色々。


意外にも、リモートでどこかの誰かと一緒に仕事してる人は多いけど、わりとHacker Paradiseのメンバー同士でコラボしてるケースは少なそうな印象を受けました。

もくもく開発

iOS 9 の新機能について調べつつ、iOS-9-Sampler を絶賛開発・・・といいたいところですが、実際のところまだ半日弱ぐらいしか作業できてなくて、既存サンプルの修正(適当にやってるところをちゃんと公開できるようリファクタしたり)とREADMEとかの整備をして、Privateリポジトリにpushするところまで。


他に音声処理(DSP)や画像処理周りの勉強とかもやりたかったのですが、手がまわらず。

Coffee Chat

あまり普段話さない人と話すきっかけになるように、主催側が(以前とかぶらないように)ペアを決めて、コーヒー代あげるのでお茶してきてください、みたいな催しです。僕はアメリカからきたプログラマのLanaとペアになって、小一時間コーヒー飲みつつしゃべりました。


僕は大勢だと全然その会話スピードについていけなくなるので、1対1で話すお膳立てをしれくれるのはほんと助かります。しかもLanaは超ゆっくりしゃべってくれて、とても話しやすかったです。

ごはん

昼や夜にワークスペースにいると、だいたいごはんに誘ってくれます。


(主催の Alexey (左)と、コロンビアからきたデータサイエンティストの Juan (右))


ドイツに来たからにはビールだ!クラブだ!という感じではなく、仕事がまだ残ってれば水、ビール飲むとしても1杯、とか結構みんなそんな感じです。(クラブに行ったりがっつり飲んだりしてる人たちもいるかもしれません)

Goodpatch ベルリンオフィス訪問

現地の会社のオフィスを見学させていただきつつ、あわよくばフリーとしての仕事のチャンスを探るべく、ツテを辿ってGoodpatchさんのベルリンオフィスを訪問させていただきました。



とある案件の見積もりについて話し合いました。まだどうなるかわかりませんが、もしかすると仕事につながるかもしれません。とにかく最高に親切な方々でした。いつでもオフィスに来て作業していいよ、といっていただけたのでまたお邪魔しようと思います。

湖へドライブ

色々縁あって、ドイツに住んで働いている日本人の方々とつながり、ベルリンの北の方にある湖へ連れて行っていただきました。



すごい水がきれいでみんな泳いでてうらやましかったので、僕も(パンツで)ひと泳ぎしました。そのあとはドイツ肉をかこみつつビール。みなさん魅力的な方々ばかりでとても楽しかったです。

おわりに

Hacker Paradise が契約してくれたコワーキングスペース「Betahaus」のこととか、費用的なこととか、他にも書こうと思っていたことがたくさんあるのですが、長くなりすぎたのでまたの機会に。引き続き有意義な滞在になるよう楽しみつつ精進します!


*1:今はOrganizerは4人

*2:サイトでは公開してないようなので控えておきます